グズグズ4

 話してるうちにそろそろイイ時間になってきたのでさあ解散、という流れになったのですが、
ラーメンを食べようという話になりました。いつもの行きつけのお店に入ったのですが、
ひとりがなにを思ったのかチャーハンをたのみました。まあ、たしかにおいしそうだったので
仕方ないです。他の2人は「今ならジャンボ食える」と言ってとんこつのジャンボをたのみました。
今思えばそれがこれから起こる事のシグナルだったのです。いろいろ会話をしているうちに、
たのんだメニューがきました。それぞれおいしく召し上がっていたんですが、ひとりだけ急激に
食べるペースが落ちていったのです。そう、ジャンボです。ジャンボをたのんだひとりが
「お腹いっぱい」と言ったのでした。しかし、責任感の強い彼は残さず全部食べるために、
あらゆる考えを巡らしたのでしょう、七味唐辛子のフタをとって大量にかけたのです。
「じろーみたいな辛さが足りないんだよ」と言ったのでした。そして彼はまた食べ始めました。
ちょっとしてそれを見てたひとりがなぜか「辛子もっと入れた方がいいんじゃない」と言って
やっぱりフタをとって七味唐辛子を入れてあげたのでした。ついでにラー油も少々入れてあげたのでした。
そしてスープを飲んで「アメリカンな味がする」とか「不思議な味がする」などと
言ったので他の2人も少し飲んでみました。たしかにどんな味か知らないくせにアメリカンな味だと
2人も納得したのでした。そうして3人であれこれ議論して出た結論が「マズい」ということになったのでした。
じろーは七味唐辛子を使ってないということに気づいたです。だが、時すでに遅くとんこつラーメンのとんこつは
見るかげもなくアメリカンラーメンへと変貌をとげたのでした。
ボク達は日本人なわけで、アメリカの食文化には慣れてないわけで、じろー味じゃないわけで・・・。
そうしてそのメニューをたのんだ友達が「どうしよう、麺残っちゃった」と言って相談した結果、
ひとりが「水入れればいいじゃん」と言いました。そうしてあれこれやって、再びスープを飲んでみました。その瞬間、
なんとひとりがぶっと噴き出してしまいました。その汁が四方八方に飛び散り他の2人が被害を受けました。
そのスープは辛いままで冷たくなってたのです。
 3人は料理というのは過去の数々の失敗の積み重ねで今のおいしい料理があるんだなと実感し
ました。あと、いくらおいしくてもたくさん注文するのは控えた方がいいと痛感したのでした。
 そうしてひとりの終電が近づき3人は電車、バイク、自転車とそれぞれの乗り物でそれぞれの
寒い夜道を走っていったのでした。そしてそれぞれの夜を迎え、朝を迎えるのでした。